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雨音を聴くときのように...
by clover-f
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根っこが歩く夜。
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むわりとした草の匂いがする。
6月の雨らしい雨が,夕方から降ってきている。畑の植物は,「やれやれやっと降りおった。」というような顔で,雨を受けながら,お茶をすする。(なんだか変な表現だけどホントにお茶をすすっているみたいだった)

私は,家のサッシから,大きい足をぶらりと投げ出し,雨音を聴きながら久しぶりに本を読んでいた。灯りもつけずに。雨雲からの太陽の光は文字を追うには,ちょうど良い。読んでいたのは,高山なおみさんの「諸国空想料理店」

ぬるい風が足を滑る。ページをめくる手を止めて,森を見ると,木の幹が古く重たい木のドアを開けたときのような音をたてて揺れた。そして隣の木とぶつかる。なんだか幹の繊維が筋肉みたいで,生きてるように見える。根っこごと,ずぶりと持ち上がって,今にも歩き出しそう。

そして,瞬きをした瞬間,パチンと,電気を消したように辺りが暗くなった。ホントに一瞬に。「今日はもう店じまいだ。」というように。いつも夜はこんなに突然訪れる?木が,もう別人の顔をしていた。

夜の森は,恐い。
私は,夜を感じる時間から朝まで,森の方の庭にはほとんど出ない。恐いから。食材調達で畑に出ても,駆け足で家に戻ってくる。なんとなく出てはいけないような気がするのだ。

同じ暗さでも,明け方の畑の息づかいは綺麗。




2ヶ月間,土日もほとんどなく全速力だった私の体は,ウソはつかないらしい。
「休めー。休めー。」とのたうち回って言っている。

だから,休む。
今日は,ひたすら寝ていた。
湖の底に沈んで行くように,布団にずっしりと体重を横たえる。
だらんと,手足は重力のまま。



こんな時,不思議だけど言葉が洪水のように溢れてくる。
たぶん,ほとんどがどうしようもない言葉ばかりだけれど,
その溢れた言葉に,実は今,おぼれそうになっている。
by clover-f | 2009-06-22 19:27
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