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雨音を聴くときのように...
by clover-f
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秘密の温泉の話。
おふろに入っても。b0120001_2221957.jpg
台所仕事をしても。

真っ黒になった手を,ごしごしと綺麗に洗っても。
消えない馬の匂いがする夜は,どれどれ,温泉の話でもしましょうか。


私の家から15分。

山道ばかりをくねくねゆく,国道沿いに,小さな交番があります。交番の裏には,おまわりさんの自宅があるような,小さな村の交番です。その角を右に曲がると,田んぼと家を交互に通り過ぎ,少し進んだ左には,ずいぶんと昔からある,大きなお墓も見えるのです。苔は,豊かな緑にむしていたのでしょう。その名残を感じる白いしみが,石にしみついています。くねくねと道を進み,廃墟のような家を通り過ぎ,一日一回,乗り降りがあるのでしょうか。しょぼくれたバス停を横にみて進みます。そして,温泉行きの小さな看板が出てきます。その道を右に進むと,両側は大きな杉林。幹はずいぶんと古くなって,しわがたくさんあるおばあさんの柔らかな肌のような,貫禄。そして,竹林。道は,車の往来はできないくらい細い道。くねくねと,街灯ももちろんない道。獣の香りが濃くなる道。その道の一番奥に,その温泉はあるのです。


つづく。
by clover-f | 2009-03-07 22:05
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