雨音を聴くときのように...
by clover-f
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小さな心と,感受性。
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つやつやとしたほっぺたで,おいしそうにワインを飲む。
後ろには,ゆらゆらと揺れるストーブの炎があって。

たくさんの笑い声がひびく古い民家
わたしは,なぜだかその場所で同じように笑っていました。

その日初めて出逢った人たちの中で。
人見知りをする私が,けらけらと,安心しきって笑うのです。






最近,自分の夢を,他の人に話すようになりました。


それからでしょうか。
出逢う人が,多くなりました。
私のしたい生き方を,どんどん生きてる人たちに出逢うのです。


頭を使わず,体を使わず。
機械に頼って生きていて,何も動かず太ってゆく。
そして,お金を払ってジムへ通う。


そんなことは,まっぴらごめん
笑いながら,話をします。


木と,水と,火。
必要なのは,それほどなくて。
あとは,自分の体が創ってくれる。



同じ気持ちになれる人ばかりだからでしょう。
安心しきって,笑うのです。




自分の夢を,人に話すことが,出逢いを多くすることを知りました。

行動をすると,ちゃんとやってくることを知りました。




そして最近
絵本のコーナーで,驚いたことがあるのです。


並んでいる絵本が,どれも奇抜で
まるで,テレビのお笑い番組のような,絵本たち。


絵本も,テレビと同じように変わってしまったんだなぁと。
深く深く,嘆きました。


小さな心と,小さな感受性が,原色で出来てゆくのは,
どれだけ悲しいことでしょう。



お日さまが,また地球のどこかの子どもに温かい光を注いでいるとき
夢に旅立つ僅かな時間に,ほんの少し,また自然の色に出逢うことができたらと


庭に咲く,キュウリ草のけなげな姿を見て
私は,ゆっくりと思うのです。
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by clover-f | 2008-12-29 09:47
暖炉が温かい。
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先週のめまぐるしさに,輪をかけたように
今週は,もう,日付も分からないくらい。

過酷な勤務は,想像を絶しています。
昨日は,気絶したくらい。あぁ。

久しぶりに開いたパソコン。


でも。

今年が終わろうとしているこの季節に,
たくさんの人と「はじめまして」の出逢いをしています。
仕事以外の出逢い。


もう,書ききれないくらい。


石窯でピザを焼く絵描きさん。
散歩は,ポニーと一緒の音楽家。
もうすぐ一人旅に出て行く人
南半球からやってきた人。


そして私は,いつもなぜだか火のそばで暮らしています。



文章も,どうにもならないくらい目が回っています。

29日までは,止まらずゆこうと思います。

あぁ。
でも


暖炉が温かい。
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by clover-f | 2008-12-26 22:02
「いつも」の幸せ。
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年末とは,こんなに忙しいものだったかしら。

平日は,仕事や友人と,月曜日も,水曜日も,木曜日も,外で食事をしたものだから,実は,火曜日から,「今日は,金曜日?」と,ひとり呟いていて。
月金金金金。いつ今週が終わるのかしらと,果てしなく感じ続けた一週間でした。


ほんの少し,いつもより人と多くを過ごしたから,慣れない疲労感があるのです。
やっぱり,多くの人の中は,苦手。

そんな日々をを,ゆっくりと「いつも」に導いてくれるのは,鳥のさえずりだったり,木の葉の舞う姿だったり。駆け足で,追いつかれないように過ごす日常のとなりに,お日さまの光がたっぷり注がれた野菜たちが,それぞれの足並みで成長してゆく姿があることを,なんだか不思議な気持ちで見ています。

彼らも,私も,同じ24時間を過ごしていることに。



朝。
それでも,珈琲を飲む時間だけはゆずれなくて,畑を眺めながら,頂く毎日。すっかり冬になった今。空気はパキンとしていて,珈琲カップから立ち上る湯気。それはそれは豊かです。

身を引き締めながらも大きくなる野菜たち
色をなくして枯れ果てた雑草に降りる霜

この土地での,初めての冬の風景が始まり,これから出逢う風景と,この森の冬に染まる絵を浮かべると,慌ただしかった心と体の力が,すーっと抜けていくようです。


枇杷の木に,毎朝メジロのきょうだいが3羽やってきています。
珈琲を飲みながら,「おはよう」と声をかけると,ピチチチチ。楽しそうな声がかえってきます。その枇杷の木には,昔,鳥が作った古い巣が残っているので,もしかしたら,また巣を作ってくれるかな?鳥が大好きな,ひまわりの種をおいていてあげようかしら。


今朝も,そう,思うのでした。


駆け足で走りながらも,根っこのところは,自然の中にある。


確かめられる朝が,「いつも」の幸せです。
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by clover-f | 2008-12-19 22:15
山を越えて。
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山を越えて街に出ました。
久しぶりに訪れた街には,クリスマスのイルミネーションや,買い物を楽しむ人たちで賑わい,うっかりすると,前の人の背中に,鼻をうずめてしまいそうになるほど,混み合う場所もありました。

今回は,有名なバイオリニストのコンサートと,半年ぶりに楽しみにしていた陶芸のギャラリーに行くことが目的。

どちらも,心ゆくまで堪能して,ご満悦で帰宅



その合間の土曜日が,一日仕事だっただけに,日曜日の今日は
ぎゅっ!ぎゅーっと!凝縮した3週間振りの休みを貰えたような気持ち。

ありがとうを,100回も言いたくなるくらいの,休日と出逢い。





+++



帰り道。


テールランプが連なる長い道を,どんどん越えて走り
車線がだんだんと狭くなったあと,大きな川を渡ります
そして,一面のススキ畑が見える頃

夕日はずいぶんと傾いて
山のシルエットがくっきりと浮かび上がっていました。

まるで,空一面の影絵のよう。
山と,大空に舞う鳥だけが,黒。



空は,赤と朱色,うす紫に青むらさき
柔らかなヴェールのように,空を包みます。
グラデーションの豊かさに目を奪われていると
さっきまで,誰かの背中に鼻をうずめてしまわないかと,気にしながら歩いていたことが
まぼろしのように感じました。



闇が,空を包み始めると
木々の息づかいが聞こえる森にさしかかりました


すると私は,まるで,魔法をかけられたソフィーのように,
森でひっそりと暮らすおばあちゃんに戻るのです。



家の前。
バタン。と,車のドアを閉めます。

静かな森が,私をぐるりと囲み,大きな杉の木たちが
「おかえり」と,言うのです。



今夜は,フクロウの声が,森の闇に響きそうな夜。
暖かな膝掛けと,ミルク入りの珈琲で,本を読むことにします。


眠る前の,静かな時間です。



 
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by clover-f | 2008-12-14 21:07
森とつながる蜜ろう作家
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久しぶりに,今週末は実家に帰れます。
3週間振りの,お休み。たった一日だけれど。

よくよく考えたら,月に一回の休みでも,体が耐えられるようになったんだなぁって,ちょっとだけ感動しています。ほんの,ちょっとだけ。

スイッチをパチン。って切り替えるところとか。
一瞬で気持ちをオフにして,マリオネットの糸がぷつりと切れたときのように,深く深く眠ったり。

たった5分。庭を歩き,花の芽に,うっとりしたり,野菜の虫たちに小言を言ったり。


時間がないなりに,いろいろとできるものだなぁって。
最初は愚痴ばっかりだったけれど。慣れるものだなぁって。


そして,一番大きな,スイッチの瞬間が,この蜜ろうに火を灯す瞬間なのです。



とても貴重な蜜ろうを,絶え間なく,おしみなく。自宅に帰り着いてから,眠る瞬間まで,何時間も火を灯すことができるのは,我が家の蜜ろう作家のおかげなのです。

数時間後の部屋の中は,甘い,蜜の香りがほのかに香ります。すべて自然の成分なので,空気も綺麗になります。


何よりも,ゆらめく炎を見つめながら,たくさんの物語や,夢に想いを馳せたり,浮かび上がる影に,命を感じたりする瞬間が,忙しい日々に潤いをもたらしてくれました。


私の友人にも,おすそ分けができました。
蜜ろうが好きな友人が多いので,とても嬉しい笑顔にも出逢えました。


森をゆくみつばちは,蜜ろう作家と出会い。
生まれた蜜ろうは,笑顔を生みました。



なんだか,とても素敵です。




今日も,たくさんの窓辺で,
幸せに火が灯りますように。





 
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by clover-f | 2008-12-11 21:55 | 蜜ろう作家
涙がでそうになるのです。
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とりたてて,今日は何を書こうとか言うこともないのだけれど,そういえば,12月だなぁなんて。日々のせわしなさの中,と,いうほどでもない,生活の中。何がせわしないことなのかなぁなんて,ちょっと鈍感になったりしています。鈍感になった振りをしているのかもしれないけれど。

今年出逢った,森や,そこで暮らす木について,ひとつひとつを思い出したりする時間は,そんなほんの少し,葛藤と共にある時間に,安らぎを与えてくれます。

冬の寒さ,凍える日。かたいつぼみは,春を確かに感じさせてくれたし
生命力溢れる芽吹きの季節は,体中から,緑のエネルギーを感じました。
そういえば,指先からにょきにょきと,葉っぱが出てきたのも,今年の素敵な出来事。

夏は,誰よりも先に光を浴びようと,燃えるような戦いを繰り広げ
夏の終わりの安堵した森の居心地のよさに,涙がでそうになりました。

紅葉も散り,フィナーレを迎えた森の木々たち。



それでも,木々の美しさは,毛細血管のような枝のシルエットで
私を森へと誘います。




カラカラに乾いた葉っぱの中を歩く
お日さまに向かって空を見あげる

見あげた先の,木々の枝に,固い芽吹きの準備が始まっていることに


また,涙が出そうになるのです。


森を歩くことは,そのまま,私が私でないものになる瞬間で,服を着ているとか,誰かと待ち合わせているとか,夕飯は何食べようとか。日々の暮らしがするりと抜ける瞬間でもあります。

私が人間でなくなる瞬間。
人間は,そんな時間が多ければ多いほど,幸福を得られることを
今年は,強く,感じました。


森があることは,奇蹟
森と出逢えることは,幸福。




 
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by clover-f | 2008-12-09 22:25
遙か遠くの記憶の風景。
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光り輝く銀杏の木。
ずっと昔。どれくらい昔でしょう。

銀杏はずっと,変わらないと聞きました。

恐竜たちは,この輝きを見たのかな。
土器を作る村の女性は,この輝きに目を細めたかな。
たくさんの笑顔や,悲しみや,怒りや喜び。

銀杏の木は,たくさんの気持ちを見てきたのかな。


木を見ていると,遙か遠くの景色が浮かびます。


木って,いいなぁ

単純なことだけれど,いつも思ってしまいます。

木の見てきた物語
私は,そんなことを,通勤途中に考えていたり,するのです。



 
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by clover-f | 2008-12-08 23:08
冬の朝。
静かな明け方
ふっくらと私を包む布団の中で,おぼろげに覚えていることは
顔に感じる温度が,この冬まだ経験していない冷たさだったこと。

部屋の中でも氷点下かも。
でも,それもいいかも。
そんなことを,まだ眠りの国にいるまま,思った。

それから1時間。
開けたカーテンから出てくる温度計の針に,ちょっとだけ感動。
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どうしてなのでしょうね。
私は,寒いのは苦手だけれど,
寒いのが,好き。

布団から起きた1分後
パジャマの上にダウンを着て,マフラーをぐるぐるぐると巻いた。
まるで,雪遊びに出掛ける子どもみたいに,急いで玄関を開ける。

パリッとした空気。吸い込むだけで細胞一つ一つが,くっきりと目覚めてゆく。
なんて,気持ちの良い朝でしょう。

空は,高く高く。どこまでも透き通る青さ。

家のぐるりを巡ると,寒さらしい風景に出逢う。
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パリパリと氷の水たまりを踏んで,割ってみる。
なんだか冬の儀式みたいに。
20年前,登下校中,ランドセルしょって,同じことをしてた私の姿が重なる。相変わらずの私の様子を,もう一人の私が,嬉しそうに笑う。

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ウォーターマッシュルームの水も,綺麗に凍ってしまう。ちょっと引き上げると,氷がそのまま浮かんで出てきた。

いつもの庭が,いつもよりずっと楽しい,冬の朝。


好きだなぁと,やっぱり思った。
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冬のすべては,寒さのくれる儚く美しい,おくりもの。



 
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by clover-f | 2008-12-07 22:25
閉ざされた夜。
凍えるような風が,自由に空を飛び回っています。
両手を広げて,これ以上にない笑顔で。

人は,背中を丸く曲げ,温かい灯りのついた扉に向かって
足早に駆けてゆきます。

森は,木々がしなり
枯れ葉は,一気に空に飛び立つ。




寒い寒い空が,再びやってきました。

1週間の仕事を終えて,ふうっとソファに腰を下ろし
外の音に,耳を澄ませます。


風は,音を聞いても,その温度が低いことがわかり
雲がごぉごぉと,渦巻きになり,また風を生みます。

草木は,ざざざっと無表情でなびき
カラカラカラ,何か固いものが,風で転がってゆく音がします。


たくさんの音を感じる寒い夜。
けれど,静かに閉ざされた夜。



私は,いつもの燭台に
いつもよりていねいに,灯をともします。

深く沈んだソファの中で,静かに目を閉じると
遠くから大きな扉が近づいてくるのです

古びていて,とても頑丈な,木の扉。



大きな鉄のノブを回すと,ゆっくりとその扉が開きます。


ぼんやりとした灯りに包まれながら
私はその扉の中へ,片方の足をすすめるのです。

一度立ち止まるのだけれど

もう片方の足も,しっかりとすすめます。



重い扉は,その瞬間,私を招き入れ,固く閉じるのです。







こうしてはじまる冬。

心静かな,閉ざされた夜。






もう,空に飛び立っています。
枯れ葉の背に乗り,一気に空へ。



物語のはじまり...







 
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by clover-f | 2008-12-05 22:47
どこまでも旅をする。
また,おふろの話。

薬を飲んで気づいたことだけれど,薬を飲んでから,体はかえっておかしくなったような気がした。体の外に出なければならないものが,何かふたをされたように閉じこめられて,くすぶっている。なんだか,気持ち悪い。鼻水が出るのを止めている作用もあってか,へんなのどの渇き。たまらない。薬は,いらない。


おふろの話。


ひさしぶりに読んだ,梨木果步さんの,「家守綺譚」(いえもりきたん)という本。

亡くなった友人の変わりに,友人の家を守ることを条件に移り住んだ綿貫征四郎という物書きの,随筆。庭のサルスベリに惚れられたり,友人の幽霊との交歓を綴ったもの。


彼女の生み出すものは,植物の,細胞一つ一つの呼吸が聞こえてくるくらい繊細で,読んでいてときに胸をぐっと握られたような切ない気持ちになる。彼女の描く植物は,意思がある。躍動したと思った次の瞬間には,土に還る潔さもある。私が胸を苦しくさせるのは,そんな潔さの瞬間。

私は「木になりたい」と,ある雑誌で答えていたのを読んだとき,あぁ。この人もそうなんだ。と,するりと胸に入った。いつもの森で,出逢う木に添えた自分の手が,いつか溶けて,その木の一部になってしまうその瞬間を,私はこれまでも幾度となく想像していたことがある。


もしかしたら,彼女も,そんな瞬間を思っているかも知れない...


そんなことを,揺れる湯船の中で思ったのだ。


気持ちを同じにする人との出逢いは,それだけで幸福で,その溢れる創造に,もっと近づきたいとも思う。そう思えば思うほど,空回りしてしまう私のことも,私はよくよく知っている。




だからこそ,思う。
彼女は今,どんな風景を見ているのだろう。
私の手の中にある生きた文字たちを生み出した人が,今,時を同じにしてこの世に生きていることが,なんだか奇跡のように感じる。

きっと,美しい三日月を見あげている。
同じ月を見ている。

その広がった夜空は,どこまでも続いていて,
南の小さな島では,炎の前で祈りを献げる民族がいる。
それよりずっと南の国では,初夏の訪れと共に,馬がたてがみをなびかせ
北のアラスカでは,バッファローの大群が大地に地響きを轟かせる。

美しいオーロラを見あげたトナカイの夫婦は,頬を寄せ合う。




膝をみると,揺れる灯が水面の奥に映り
呼吸と共にゆらゆらと揺れているのに気がつく。




そしてすぐ,隣でゆらめく蜜蝋の灯が
またかすかに語りかけてくる。

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by clover-f | 2008-12-03 22:33 | よむこと