雨音を聴くときのように...
by clover-f
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カテゴリ:よむこと( 14 )
秋の始まり,朝の匂い。
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今朝の気温は,20度をほんすこし
超えるかどうかの頃

目覚めた瞬間,毛布にくるまりました。
その感覚が久しぶりにふわふわしていて

嬉しくほほえむ,毛布の季節のはじまりかしら。


朝の珈琲が,透き通る朝の空気と出逢って
いっそう豊かな香り。


そして今日は,すばらしい随筆を読み始めました。

あまりにも有名な,本。


石井好子さん
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」



石井好子さん
高山なおみさん

彼女たちはきっと
食べ物にまつわる随筆の,原点。
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by clover-f | 2009-08-18 21:21 | よむこと
どこまでも旅をする。
また,おふろの話。

薬を飲んで気づいたことだけれど,薬を飲んでから,体はかえっておかしくなったような気がした。体の外に出なければならないものが,何かふたをされたように閉じこめられて,くすぶっている。なんだか,気持ち悪い。鼻水が出るのを止めている作用もあってか,へんなのどの渇き。たまらない。薬は,いらない。


おふろの話。


ひさしぶりに読んだ,梨木果步さんの,「家守綺譚」(いえもりきたん)という本。

亡くなった友人の変わりに,友人の家を守ることを条件に移り住んだ綿貫征四郎という物書きの,随筆。庭のサルスベリに惚れられたり,友人の幽霊との交歓を綴ったもの。


彼女の生み出すものは,植物の,細胞一つ一つの呼吸が聞こえてくるくらい繊細で,読んでいてときに胸をぐっと握られたような切ない気持ちになる。彼女の描く植物は,意思がある。躍動したと思った次の瞬間には,土に還る潔さもある。私が胸を苦しくさせるのは,そんな潔さの瞬間。

私は「木になりたい」と,ある雑誌で答えていたのを読んだとき,あぁ。この人もそうなんだ。と,するりと胸に入った。いつもの森で,出逢う木に添えた自分の手が,いつか溶けて,その木の一部になってしまうその瞬間を,私はこれまでも幾度となく想像していたことがある。


もしかしたら,彼女も,そんな瞬間を思っているかも知れない...


そんなことを,揺れる湯船の中で思ったのだ。


気持ちを同じにする人との出逢いは,それだけで幸福で,その溢れる創造に,もっと近づきたいとも思う。そう思えば思うほど,空回りしてしまう私のことも,私はよくよく知っている。




だからこそ,思う。
彼女は今,どんな風景を見ているのだろう。
私の手の中にある生きた文字たちを生み出した人が,今,時を同じにしてこの世に生きていることが,なんだか奇跡のように感じる。

きっと,美しい三日月を見あげている。
同じ月を見ている。

その広がった夜空は,どこまでも続いていて,
南の小さな島では,炎の前で祈りを献げる民族がいる。
それよりずっと南の国では,初夏の訪れと共に,馬がたてがみをなびかせ
北のアラスカでは,バッファローの大群が大地に地響きを轟かせる。

美しいオーロラを見あげたトナカイの夫婦は,頬を寄せ合う。




膝をみると,揺れる灯が水面の奥に映り
呼吸と共にゆらゆらと揺れているのに気がつく。




そしてすぐ,隣でゆらめく蜜蝋の灯が
またかすかに語りかけてくる。

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by clover-f | 2008-12-03 22:33 | よむこと
長い夜,ひとつの物語に出逢う。
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あることを思いついて
図書館に行ってきました。

「木の気持ちが,分かるような絵本を探してるんです」

漠然と,このイメージしか持ってゆかずに,
司書さんの,気持ちなんて,全然おかまいなしの発言をしてしまってから
1週間もたたないうち

電話をいただきました。


「お問い合わせの本の準備ができております」
留守電に入っていた丁寧な言葉。


すぐに向かうと,奥から取り出してくださった絵本の数。15冊。

嬉しくて嬉しくて。嬉しくて。
そして,司書さんのプロフェッショナルに感動。


秋の夜長。
長編小説もいいけれど

豊かな色彩と
それをを奏でる色とりどりの言葉


日々の仕事を終えてから
毎日1冊づつ,読もうと思います。

昨夜読んだ本は,この本。
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人は,昔
木を見上げて過ごしてきました

けれど,今は
高いビルの上から,見ています。

人と,木の,生きる姿を描いた作品でした。
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by clover-f | 2008-10-01 22:37 | よむこと
土とつながる暮らし。
b0120001_22171630.jpg本日発売の,自休自足。

どこかで見た写真?なんて,とことん,私のど真ん中に入ってきてくれる楽しみな雑誌のひとつ。もう,雑誌と言うより,バイブルです。今回のテーマが,「土とつながる暮らし」だなんて。。。素敵。

ここに載ってくる全国の場所とか,お店とか。ずっと見続けていた場所だったりして,なんだか,もうちょっと独り占めしたかった。。とか,「やっぱり!そうそう。このお店は,載るべき!」という場所が,多くて...困るような,嬉しいような。

今回も,とある,器屋さんが載っています。
この雑誌も,私の「夢」のひとつなのです。

                                 
上がってきています。ありがとう。
                  
               
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by clover-f | 2008-09-03 22:33 | よむこと
いつか夏,北軽井沢へ。
b0120001_21261447.jpgその包みは,職場に届いたのだけれど,袋を開けるや否や。私は,周りの人たちがびっくりこちらを振り返るような声をあげてしまったのです。

映画が公開になってから,読みたいな。読みたいな。
とは,思っていたのだけれど,なぜか本屋でのタイミングが合わず,買っていなかった,それでも今年読みたかった本のひとつ。

ありがとう!
住所,教えてくださいね。
のんびりだけど,しろつめ便を,おくりますー。
          

追伸。
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by clover-f | 2008-08-31 21:35 | よむこと
物語のつづき。
b0120001_22274028.jpgフランスの作家,ユーベル・マンガレリという方の,「おわりの雪」と,「しずかに流れるみどりの川」という本を借りてきました。

意識の奥の深い部分。小さくて,静かで,音も,声もないくらいの存在を,確かに感じることができる物語だと直感しました。

何よりも装丁が,素敵です

表紙の表情
表紙をめくった次の,深い緑色の紙
タイトル
そして,物語の始まり...


最近,本をじっと見つめる時間が増えました。
読むのではなくて,見つめるのです。

背表紙を見つめたり
栞の紐の,色の意味を感じたり...


時間と場所を越えた作者の想いが,綴られていそうで...
言葉はひとつも書いていないけれど,語りかけてくるのです。


そしてページをめくるとき,
雨が降り出す音がしました。

雨音に包まれる午後,物語の世界を旅をします。


しずかに流れるみどりの川で,小さな男の子に出会いました。
そばには,その子のお父さんが立っていて,大事そうにジャムの空き瓶を持っています。
そのジャムの瓶には,つるばらが植えられていて,男の子は,私に言うのです。

「つるばらは,いかがですか?庭が,花でいっぱいになりますよ」


私は,男の子にコインを渡して,
変わりにそのジャムの瓶を受け取りました。



しずかに流れるみどりの川には,ゆらゆらと魚が泳いでいます。
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by clover-f | 2008-08-23 22:47 | よむこと
ことばのおくりもの
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久しぶりに,本の紹介。

図書館で,目に飛び込んできた,淡くて爽やかな装丁。
ため息がでるくらい,美しい絵...

図書館の新刊コーナーで,しばらくこの本を両手に取り,ただただ見つめていました。
桜の花吹雪の中に立っているような,切なくて,優しい気持ち。


そしてこれは

あまんきみこさんの随筆集。



彼女の幼い頃からの思い出や,これまでの彼女を形創る,たくさんの物語
彼女の優しい言葉で綴られています。


一度に読んでしまうのが,あまりにももったいなくて
小川の底に,きらきらと光る宝石を,ひとつひとつ集めるように読みました。



私が随筆を好きな理由は
きっと,どんな物語より,その人の感受性に触れることができるから。

まなざしの先,響く音
感じる香りと,触れた温もりを


何よりも近くで,ともに寄り添うように,味わうことができるから。
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by clover-f | 2008-08-15 23:33 | よむこと
雨と。雨と音楽と。
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江國香織の「雨はコーラがのめない」を読んでいます。


彼女と,彼女が一緒に過ごす「雨」という名の犬
二人で聴く音楽について書かれたエッセイです


彼女の文字で,私は
いつも思う景色の懐かしさや,季節の匂いに囲まれます

あぁもう.
抜け出したくない。


最近,本を読んでいなかったからでしょう
体中の奥深くから文字の絵を欲しています

3冊同時に読んでいます...



いっそ,夜が50時間くらいあればいいのに


眠る時間がもったいない。
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by clover-f | 2008-05-06 22:10 | よむこと
雪沼へ訪れる
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金曜日、強烈な悪寒と頭痛の末
今度は扁桃腺炎の診断をもらってきました

これだけまんべんない病名の季節は初めてです
ちょっとへこみます


春の柔らかい色がかすかに混ざる青い空を
憧れのまなざしで見つめながら
病の床にふせるありさま…



それでもかろうじて,本はしっかり握っています
今日は、堀江敏幸さんの『雪沼とその周辺』


しんしんと雪の降りつもる音が
静かに聞こえてきそうな物語


じわりと感動した気持ちのまま
ちょっとだけ体を起こしてネットをはじめました
同じ本を読んだ人のブログを見つけて、感想を共有しています



おふとんの中でも、旅は限り無くできるのですね

ガタゴトと古びた列車に乗りながら
雪沼という静かな町に,旅をしていた土曜の夕暮れです
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by clover-f | 2008-03-01 18:16 | よむこと
40年前の日記
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朝,ひさしぶりに東の空が透き通る午前7時
ずっと向こうの雲が,朝日を浴びて光っています 外は静かです
ほうじ茶を飲みながら,起き抜けの読書を楽しむ朝

今読んでいる本は,武田百合子さんの「富士日記」
山での暮らしを綴った,山の日記です

目次もなくて,淡々と,日付から始まる普通の日記

家族3人の,ありふれた日記のはずなのに,その視線の先が,とても鮮やかです
共に山で生活してるような気持ちになって
まだ,生まれていない頃の生活が,心落ち着きます

今読んでいるところは,まだ始まったばかりの,昭和40年

庭に,梅の木を植えたところ。
寒さに負けず,新しい葉っぱが出てきたんだそう
梅の木が気になって仕方がない様子


うな丼250円とか,ラーメン140円とか
なんだかほっとする値段

自然は40年経っても,ぜんぜん変わらないことが
彼女の自然を尊ぶ気持ちに共感し,すっとなじんでゆきます


ところで,
彼女たち家族の就寝時刻は,だいたい夜の9時
なんとも羨ましい


発行は,昭和52年です
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by clover-f | 2008-02-03 16:56 | よむこと